NMN(ニコチンアミド モノヌクレチド)
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はじめに
NMN[nicotinamide mononucleotide(ニコチンアミド モノヌクレチド)]は、
2015年、NHKのドキュメンタリー番組「ネクストワールド:~私達の未来~」において衝撃的な内容が放送された。
開発者はワシントン大学(ミズーリ州セントルイス)の今井眞一郎教授(55)である。
今後30年間で、老化メカニズムの解明。がん治療研究や治療技術の進展、予知医療の発展などにより、人類の平均寿命が100歳を超え、 最大寿命140歳も可能になり、その中で紹介された若返りの薬というのがNMNであるという衝撃的な内容が発表されたのです。
血液中を巡っているNAD合成系酵素eNAMPTが、哺乳類の老化と寿命の制御を解明
今井 眞一郎博士(ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)発生生物学部門・医学部門(兼任)教授、および神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター客員上席研究員)の研究グループが、日本医療研究開発機構(AMED)『老化メカニズムの解明・制御プロジェクト』に参画し、血液循環中に存在するNAD合成系酵素eNAMPTが、哺乳類における老化・寿命の制御に重要な役割を果たしていることを明らかにしました。その研究成果が、国際科学誌Cell Metabolism(セル・メタボリズム)に、2019年6月13日午前11時(米国東部時間)、6月14日午前1時(日本時間)に「オンライン版」で発表されました。
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研究成果等の具体的な内容
長寿遺伝子 サーチュイン遺伝子の活性化
サーチュイン遺伝子(たんぱく質の一つ)は7種類あり、それぞれに働きが違う。
分子名 | 局在部位 | 機能 | 関連疾患 |
SIRT1 | 核、細胞質 | 糖代謝、脂肪酸化、サーカディアンリズム、炎症 | 糖尿病、認知症、寿命 |
SIRT2 | 核、細胞質 | 細胞増殖抑制、DNAダメージ、炎症 | 癌、炎症性疾患、心疾患、寿命 |
SIRT3 | ミトコンドリア | エネルギー(ATP)産生、クエン酸回路、 電子伝達系・酸化的リン酸化、アミノ酸代謝、 脂質代謝、クエン酸回路 |
心疾患、神経変性疾患、 急性腎炎、癌 |
SIRT4 | ミトコンドリア | アミノ酸代謝、脂質代謝、クエン酸回路 | 癌、肥満 |
SIRT5 | ミトコンドリア | 脂質代謝、解糖系、活性酸素、尿素サイクル | 癌、心疾患 |
SIRT6 | 核 | ゲノム安定性、テロメア、セントロメア制御、 DNA修復、糖代謝、脂質代謝 |
癌、炎症性疾患、心疾患、寿命 |
SIRT7 | 核 | リボソーム生合成、細胞ストレス応答 | 代謝性疾患、癌、寿命 |
NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)を増やすことが出来れば、サーチュイン遺伝子に働きかけることが出来る。
NAD(ニコチンアミド・アデニンジ・ヌクレオチド)とは
生命活動にとって必須であるNADと呼ばれる物質が、さまざまな臓器・組織において、加齢とともに低下してしまうことが、最近の老化・寿命研究によって明らかにされています。このNADが低下することで、臓器や組織機能低下、ひいては老化関連疾患の病因を引き起こしていることもわかってきています。
増やす方法として・・・
絶食や運動があげられます。
サプリメントとしてはNMNが体内でNADに変換されます。
NMN(ニコチナミド・モノ・ヌクレオチド)とは
すべての生物種に存在する補酵素であり、牛乳など様々な栄養源に含まれている。
ヒトにはNMNを利用してニコチンアミドアデニンヌクレオチド(NADHおよびNAD+)を生成する酵素が存在する。NMNはNAD+の生化学的前駆体として、ペラグラの予防に有用な可能性がある。
本来は生体内でも生成されているが、加齢に伴うNMN生成能力の低下によりNAD+も減少し、細胞核の損傷やミトコンドリアの活性低下が進むと考えられている。NADHはミトコンドリア内の諸過程や、サーチュイン、PARP(英語版)の補因子であるため、NMNは神経保護薬や抗加齢薬としての動物モデルでの研究が行われている。
近年、ヒトでの研究によって健康な男性で最大500 mgの単回経口投与が安全であることが示されており、長期の安全性に関する複数の研究が行われている。ウィキペディアより抜粋
NMNは
・体内で作られる
・緑黄色野菜に含まれる
・母乳に含まれる
・体の修復に関連している
1日分のNMNを取ろうと思ったら・・・
・ブロッコリー 日/4000房
・アボガド 日/600個
NMN投与マウス実験写真
今井眞一郎教授とデビッド・シンクレア教授が、生後2年(ヒト年齢約60歳)のマウスにNMNを1週間投与する研究実験。
その結果、NMNを投与したマウスは、生後6ヶ月(ヒト年齢20歳)の運動能力、外観、活動レベル、細胞レベルまで若返ることが確認されました。
NMNでの若返りのメカニズム
NAD低下の原因は、NAD合成の低下とNAD消費の増大のいずれか、あるいはその組み合わせによることが明らかになってきています。哺乳類において、NAD合成の主要な経路は、NAMPT(ニコチナミド・ホスホリボシルトランスフェラーゼ)と呼ばれる酵素によって制御されるもので、ビタミンB3の一種であるニコチナミドを出発物質とします。
NAMPTはニコチナミドを、NMN(ニコチナミド・モノヌクレオチド)という物質に変換し、NMNはさらに別の酵素によってNADに変換されます。
すなわち、NAMPTはNAD合成の中間体物質であるNMNを作り出すことによってNADの産生の制御を行う重要な酵素であり、NAD合成を促進することによって、NAD依存性タンパク脱アセチル化酵素であり哺乳類サーチュインの主要な一員であるSIRT1の活性を増大させることが知られています。
また、NMNには非常に顕著な抗老化作用があることが明らかになっています。
すなわち、NMNによってNADの産生の制御を行う重要な酵素であり、NAD合成を促進することによって、NAD依存性タンパク脱アセチル化酵素であり哺乳類サーチュインの主要な一員であるSIRT1の活性を増大させることが知られています。また、NMNには非常に顕著な抗老化作用があることが明らかになっています。